目次

住まいの安心を再定義する ―「つながり」を大切にしつづけた人生

人の願いに誠実に向きあうからこそ、確かな信頼が生まれる。


株式会社家守りホールディングスによる住宅品質検査は、一切の妥協がない。国内トップクラスである700枚以上の現場写真とともに丁寧につづられる検査報告書は、Web上でも確認でき、家を建ててから35年間責任をもって保管される。検査員の専門性が危ぶまれる業界内で、確かな知見をもつ検査員の人材育成事業にも取り組み、業界全体から住宅の質の向上を目指す同社。目の前のお客様に誠実であることを貫き通してきた、代表取締役の岡田浩一が語る「人とのつながりの大切さ」とは。




1章 住む人の安心


1-1.  国内最高レベルの住宅品質検査


背中を追いかけたいと思えるような憧れの存在や、心から尊敬できる人。その存在に近づこうとする強い思いが、ときに行動の原動力となる。電車の運転士に憧れた少年時代。電車を撮るカメラほしさに、新聞配達のバイトをはじめたこともある。願いを叶えるために行動する。誰かに手取り足取り教えてもらうのではなく、大切なことはすべて尊敬する人の背中が教えてくれた。


戸建住宅の品質を守り、信頼を形にする住宅品質検査(ホームインスペクション)。建築施工のプロの目線から瑕疵(住宅の欠陥)を発見し、住む人の暮らしを守る。現在、日本では住宅品質検査の「質」が見直されている。


公平公正な第三者検査機関として、国内最高レベルの厳格な現場検査を実施している株式会社家守りホールディングス。1棟の新築戸建住宅が完成するまでに10回の検査を行い、検査項目は190項目以上、住宅の撮影写真は700枚以上にも及ぶ。住宅に関する不安があれば迅速に駆けつけ対応できるよう全国に展開された同社のネットワーク「家守りステーション」は、北海道から沖縄まで全国25拠点に広がり、日本の住宅の施工品質向上に大きな役目をもっている。


代表の岡田氏は、長年CADシステムの営業職として、一貫して工務店に向けたサービスを提供してきた。その豊富な経験と人脈から、中小工務店のニーズは誰よりも精通している。2017年8月には、住宅品質検査のプロを育てる一般社団法人日本第三者住宅品質検査技術者認定機構(JAQUA)を設立、同機構の代表理事に就任した。10年以上かけて自社で行ってきた累計8万5千棟の第三者による品質検査の実績を活用し、住宅の品質向上に向けて業界を牽引している。


「間違いなく、人とのつながりの社会だと思っています。喧嘩する、付き合わないって思いがあるときもありますけど、基本的には丁寧に、手はずっとつながっているというのがベースにありますね」


人への信頼、感謝を誰よりも重んじてきた岡田氏の人生に迫る。


1-2.  工務店にお世話になった人生


もしも思い入れある大切な自宅が、欠陥住宅だったとしたら。


住宅品質検査(ホームインスペクション)は、住宅の欠陥を検査し、家を買う人、そこに住む人の暮らしを守る。家は一世一代の買い物だからこそ、その品質を検査する、信頼できる第三者検査機関が欠かせない。


1995年1月、家屋の倒壊により数千名の犠牲者を出した阪神・淡路大震災で、「欠陥住宅」という言葉が広く認知されるようになった。それ以来、住宅品質検査の重要性は高まっているにもかかわらず、その「質」はいまだ問題視されている現状がある。


業界の悪しき側面として、検査する側の第三者機関を装いながらも、検査される側の設計や施工を同時に自社で受注する、名ばかりの第三者機関がなかには存在しているのだ。それにより、公正な判断ができなくなってしまう。また、検査員を安易に名乗ったりする悪質業者も混在し、消費者を混乱させている。


「家守りステーション」サービスネットワーク


家守りホールディングスは、客観性の高い独立の第三者機関として全国25カ所に拠点を展開。一級建築士・二級建築士の有資格者で、かつ同社の講習を受けた検査員が、国内トップクラスの住宅品質検査を手がけている。さらに、家づくりのワンストップサポート事業、既存住宅向けの点検・メンテナンスや損害保証・保険、検査員の人材育成など幅広いソリューションを提供する。


「自分はずっと工務店さんにお世話になってきた、食わせてもらってきた人生なんですよ。だから、今までは彼らの施工品質の向上に役に立てればいいかなと思ってきたんですけど、段々変わってきていて。建築業界で2020年に大きい法改正があるんですが、それで十何年お世話になってきた工務店さんが倒産するとか事業を辞めるという人が増えてきたんです」


2020 年、新築建物の省エネ基準義務化により、住宅建築業界は大きく変わる。国土交通省の推計によると、新基準に適合する既存住宅は5~6割にとどまるといわれており、数多くの工務店で工法の見直しが迫られている。その工法見直しにかかる負担に伴い工務店の数は減少、代わりに工務店が担っていた住宅の点検・メンテナンスを同社で引き継いでほしいという要望が増えているという。


「今は管理棟数が全体で5600棟あるんです。ほかにも5社くらい同じような相談を受けていて、そうすると一万棟超えてきちゃうんですよ」


今までは工務店が家を建て、アフターフォローしていたところを、家守りホールディングスが家を建てた後、引き渡し以降は1年後2年後の定期検査まですべて引き受ける。それは、工務店にとっても、住む人にとっても役に立つものとなる。


「何かあったらお家の不具合だけじゃなくて、売りたい、貸したい含め、家に関するお悩みすべて家守りで解決できるというのが目指すところですね」


建てる前、建てているとき、建てた後、その住宅の安心安全を守り、同時にそこに住む人の暮らしを見守りつづけたい。それが、同社の社名に込められた願いだ。家守りホールディングスは、住宅にまつわる新しい地平を開いていく。


引渡後、長期に渡り瑕疵による不具合が生じないよう、品質を徹底チェックする。


2章 「つながり」の社会


2-1.  背中を見せる


群馬県に生まれ、共働きの両親が働く背中を見て育った岡田氏。重工メーカーの工場で働いていた父は、班長として周囲で働く人々のつながりを大切にし、頼られている人だった。人とのつながりを大切にする父は、「嘘や裏切りはするな」といつも教えてくれた。人と人とのつながり、人への信頼や感謝。それらの大切さを自ら率先し行動で示し、背中を見せることで、誰よりも大きな信頼を得ていた父の背中を追っていた。


「間違いなくつながりの社会だと思っています。喧嘩する、付き合わないって思いがあるときはありますけど、それ以外に関しては基本的には丁寧に、手はずっとつながっているっていうのがベースにありますね」


そんな父を見て育った岡田氏も自然と、背中を見せること・つながりを大切にすることを意識するようになっていった。


「中学高校の卓球部で部長を務めていたとき、群馬県の太田市っていう小さい市では一番だったんです。県ではベスト4くらいでした。卓球って基本は個のスポーツなんですけど、そのときは卓球部内でも、みんなで頑張っていこうぜって自然となっていった。自分が朝練とか来るから、みんなも来るみたいな感じではあったと思います」


まず自分が行動で示す。背中を見せるからこそ、人がそれにならってついてくるし、信頼が生まれる。結果、そのつながりは強固なものとなりチームが強くなっていく。


「一般的にどこでもそうだと思うんですけど、言うだけじゃなくて自分がやってみせるというところまでいかないとね。自分の周りには『自分がやってみせるから見とけ』って人が多かったんですよ。それは助かりました」


人と人とのつながりの社会だからこそ、そこで生まれる願いや思いは、自分の行動で表していく。そして、それを誠実に行うからこそ、人からの信頼が生まれ、つながりが生まれてくる。岡田氏はそれを幼少のころから、身をもって学んできた。



2-2. 「つながり」を大切にする仕事


商業高校の情報処理科に入学した当時の岡田氏は、プログラマーになることを夢見ていた。趣味だった電車にのめりこみ、自分でダイヤグラム(電車のスケジュールを組むもの)のプログラムを組めたらという思いがあった。


「そのころは、今でいうパソコンじゃなくて大きい汎用機だったんですけど、そっちの道に進みたかったんですよ。まぁSEですよね。今でいうJR、当時の国鉄に入れたらみたいな思いもあって」


高校卒業後、東京にある金融系のシステム運用・開発会社に就職した岡田氏は、ネットワークの監視や管理をする部門のオペレーターとして働きながら、プログラマーになる道を志した。しかし、当時はまだプログラマーは狭き門。夢への思いも次第にあきらめに変わっていく。


派遣先でロボットのように監視されながら働く日々と、プログラマーへの道が開かれていないことに不満を抱えながらも、岡田氏は希望を見出していた。職場には、他社から派遣されているプログラマーが多数いた。その中の一人、ひときわ仕事ができる先輩に、岡田氏は強い憧れをもったのだ。尊敬できる先輩の背中は、岡田氏の日々を変えてくれる希望に変わっていった。


「その仕事は辞めて、安易だけど、その人が在籍していたグループの子会社に入ったんですよ。そこが建築のCADの会社だったんです。建築に興味は全くなかったけど、その人のようになりたいなと憧れて」


しかし、入社後は欠員を埋めるため、不慣れな営業職に配属されてしまう。飛び込み営業や、一日200件の架電ノルマ。入社したことを後悔しながらも2年ほどくすぶっていた時期を過ごした。


ある日、新たな営業先を先輩に紹介されたときの出来事が、岡田氏を大きく変えることとなる。


「ある設計事務所を営業先として紹介してくれた先輩がいて、紹介って強いじゃないですか。あとはフォローすれば売れるよとつないでくれたんです。それで初めて『役に立った』って、お客さんに言ってもらえたんです。そのとき、営業っていいものだと、自分がやりたいことだと思って」


人との「つながり」を大切にする岡田氏だったからこそ、お客様の役にたったことはこの上ない喜びであった。営業だからこそ、お客様の役に立つことができ、お客様と岡田氏の「つながり」を強いものにしてくれるものであった。


その後、社内でも最年少で売上一位になるほど実績を残し続けた岡田氏。以降、仙台の営業所の立ち上げを任されるなど、会社でも頼られる存在となっていく。何より、大切なお客様とのつながりを大切に、向き合い、お客様の願いを叶え、感謝されつづけることが嬉しかった。



2-3. 「つながり」を大切にすることの限界


お客様の願いをひとつひとつ叶えることで、お客様からの信頼を獲得していった岡田氏。お客様からの要望には最大限応えたいと考えていたが、社内の人間関係に阻まれることも多くなってきた。


「こういう使い勝手にしたいとか、こういう機能がほしいっていうお客さんの要望を受けてくるわけですよ。よくある開発と営業の戦いになっちゃうんですけど。営業側からすると、お客さんのためにこうしたいと言っても、(開発側の人間からすると)『これ作ったらどれだけ売れるんだ』みたいな論理になってしまって、よく取締役(開発部長)と喧嘩してたんです」


目の前のお客様の要望を叶えたくても、会社の都合・組織の都合で反対される。開発部長から役員会にかけると言われても、岡田氏がその場に参加できる可能性は限りなくゼロに近い。当時の開発部長には、いつも負けていた。「売れるか、売れないか」などの会社の都合で、お客様の要望を無下にしてよいものなのか。お客様のニーズに応えられない会社はどうなのか、岡田氏の心には疑問が募っていった。


「お客様に買ってもらって、印鑑もらうときの重みってあるじゃないですか。ちゃんと買ってもらったあとも、最大限フォローするって約束しているなかで、(会社ではそれが叶わないから)お客さんとの板挟みになっていた苦しさはあるんですよ」


すべてはお客様のために。お客様の望むものを実現したい。それを叶えるためには、役員会でお客様の願いを通す必要があった。開発の取締役と対等な立場で意見を交わし、決定を下せない限りお客様の願いを実現することはできない。岡田氏が出世を望んだのは、それが理由だった。取締役となれば、対等に意見を交わし、お客様の願いを叶えることができる。しかし、子会社の社員は役員にはなれないという制限があり、その道を目指すのは現実的に厳しかった。


岡田氏が独立を考えはじめたのは、そのころだった。お世話になった尊敬する先輩が独立するタイミングで、声をかけてくれた。そこで働くことで、尊敬する先輩の背中を支えながら、役員としてお客様の望みを叶えていくことができる。人との「つながり」を何より大切に考えていた岡田氏にとっては最高の環境だった。



3章 業界から住宅の安心をつくる


3-1.  住宅品質検査との出会い


誰よりも信頼している先輩とはじめたCADシステムの営業会社。岡田氏は自信があった。独立したばかりにもかかわらず、全員サラリーマン時代の給料を軽く上回るほど、一年目は受注があったという。


しかし、そう長くはつづかない。


「絶対うまくいくと、最初はもう無敵の会社だと思ったんです。それでもやっぱり、目標とか理念なくしては続かないんだなって思いましたね」


会社全体としてのつながりに欠ける組織には限界があった。少しの信頼関係のほころびから開発担当が辞めてしまって以来、売上が落ち込んだ。


そんなとき、前職時代お世話になった人がやらないかと声をかけてくれたのが、住宅品質検査事業だった。家を建てるときの住宅品質検査。数百枚の写真とともに、住宅の安心・安全を保証することができるものだった。


「それを見てすごく感激したんですよ。あるべきだと思って。何でそう思ったかっていうと、群馬の両親の家が、欠陥住宅でボロボロだったんです。その住宅品質検査の話を聞いたら10回の検査って30万なんですよ。その家は800万くらいかけて直しているんですけど、30万の検査をしていれば、もっと700万以上も違ったところにお金使えたのにって思ったんです」


調べてみると、工事の質を担保する住宅品質検査に関しては、現場監督任せになっていた。経験の浅い人でも、就任した翌日から現場監督の名刺を持つことができてしまう世界。検査に関する適切な判断を下す人が不在の現場も存在する。そうであるならば、「住宅品質検査」は専門性をもった存在として日本に必要である。岡田氏は住宅を買う人のために、信頼できる検査機関があるべきだと確信をもった。


「家って大きい買い物じゃないですか。信頼できる住宅品質検査を広めることで、そういった人たちにちょっとでも役に立てるかなと思ってスタートしたんですよ」


人生のなかでもひときわ大きな買い物であるにもかかわらず、不誠実がたくさんある住宅の現場。ずさんな住宅品質検査が、欠陥住宅を生んでしまう。そこには、目の前の家を建てる人との「つながり」を大切にできていない世界が広がっていた。住宅品質検査は、お客様のためになる。誠実に向き合うものとしては最高のものに思えた。まさに「つながり」を大切にする岡田氏の信念を形にできる場所だった。


2002年、愛知県に本拠地を置く株式会社ホームリサーチ社の代理店「ホームリサーチ東京」として、2社の役員を兼任する形で住宅品質検査事業をスタートした。


時代とともに社会からの需要は増えていき、選択と集中から住宅品質検査事業一本で独立。さらに、品質検査だけでなく、地盤保証、瑕疵保険、建物検査、定期点検を含むワンストップサービスという、真にお客様が喜ぶものを実現したいという岡田氏の思いの形として、ハウスビジョン社(現:家守りホールディングス社)に出資者として参画、2016年より代表取締役社長となった。


200ページ以上700枚を超える検査写真とともに記録される同社の住宅品質検査報告書


3-2.  社団法人の設立


家守りホールディングスが検査に入ることによって、検査の質が向上する。それだけでなく、ひとつひとつの住宅の安心を高めることで、「検査をするのが当たり前」という価値観がつくられ、業界全体のモラルが上がっていく。岡田氏の運営する家守りホールディングスは建物が生まれる過程に携わり、検査によって、お客様にとってよいものを提供していく。彼らの存在は、不動産・建設業界全体でお客様に向き合う姿勢を再考するきっかけとなる。


「当社が牽引する形になると思うんですけど、品質を上げる面と、検査員の教育事業を進めています。うちで2017年8月に社団法人を立ち上げたんですけど、教育の方は力を入れていきます」


社団法人での研修を通じて、検査員のレベルを底上げしていく同社。さらに、業界を大きく変えていくための流れを生み出そうとしている。


それは、住宅品質検査員に国の資格がないという現状へのアプローチである。石膏管理技士という資格が唯一近いが、それを持っていたとしても、住宅品質検査員として実務での正しい判断が保証されるようにはならない。2級建築士資格ですら、検査自体の経験を積まなければ実務能力があるとは言えない世界なのだ。だからこそ、岡田氏が声を上げる。


「社団法人で研修プログラムをつくって、そこから業務委託を受けた我々の検査で実務経験を積んでもらう。家守りホールディングスの全国のネットワーク拠点で体制を整える。そこに工務店が新人を送り込む。今まで一番要望があってもできなかったことです。同じような立ち位置のところは出てくるかもしれないですけど、ようやくまずは先陣をきれたと」


岡田氏が立ち上げる社団法人が発信源となり、業界全体でお客様との「つながり」を大切にする環境をつくりだしていく。家守りホールディングスが教育を担当し、建築資格学校と連携して資格を拡大していく。


それは、家を守るための理想的なサイクルを実現するものだ。一過性の改善ではなく、永続的に家が守られる仕組みが存在する社会へ。岡田氏が大事にしてきた「つながり」は、お客様から社会へと広がり、信頼ある社会を創出していく旗振り役となるのだろう。



2017.10.12

文・引田有佳/Focus On編集部



編集後記


私たち人類の祖先ホモ・サピエンスが誕生して以降、人は集団を形成し、助け合って生きてきた。誰かができないことを誰かが代わりに担い支え合うことで、人類は進化を重ねてきたのである。人類というものは古来から誰かと誰かの「つながり」の中で生きつづけている。


昨今、ソーシャルメディアの発達などにより人々のコミュニケーションの様式は変わり、人と人との間にある「つながり」を支えるものは形を変えている。面識のない人とでさえコミュニケーションをとり、「つながり」を生成することができるその様は、私たちの「つながり」の価値観すら変えている。


手段としての「つながり」を見ると、確かに多様なものが生まれてきていることは事実であるが、その根底にある「つながり」そのものは変わっていないように思える。人と人との関係によって成り立つ社会である以上、その手段が変容を遂げたのみであり、社会の進歩のための「つながり」そのものは変わっていない。


社会学の分野において「ネットワーク」という言葉で扱われる「つながり」は、1950年代以降、さまざまな角度から研究されている分野である。


私たちを結ぶつながりは、日々の生活のあらゆる面に影響を及ぼしている。……私たちがどう感じ、何を知り、誰と結婚し、どんな病気にかかり、いくら稼ぎ、誰に投票するかと言った事のすべてが、私たちを結ぶ絆に左右される。社会的ネットワークを通じて、幸福・寛容・愛が広がっていく。……こうしたつながりは知っている人同士を結びつけるだけではない。自分自身の社会的地平を超えたところで、友人の友人の友人が引き起こした連鎖反応が、やがて私たちに届くこともあるのだ。ちょうど、遠い土地から波が打ち寄せ、足下の海岸を洗うように。―ニコラス・A・クリスタキス(Nicholas A. Christakis),ジェイムズ・H・ファウラー(James H. Fowler)


私たちは社会の中から影響を受け、与えているのだ。ふと立ち止まると当たり前のように思えることであるが、私たちの日々の行動や考えひとつひとつは、社会への影響力を持っている。それは小さなものであっても波紋のように広がり、どこか遠くの見知らぬ誰かにすら影響を与えているという。


この当然のように思える仕組みが社会を形成し、私たちの日々の生活を構築している。


だからこそ、一人のお客様に向き合い、願いをカタチにしていくため、真摯に向き合うことがこの世界を良くしていくのである。岡田氏の挑戦は、単なる「資格制度の創出」にとどまらず、業界全体から顧客と向き合う姿勢を変容させていく意思である。それは、岡田氏にとって見知らぬ誰かが誰かと向き合う波紋へと変わり、新しい「住宅」の世界を創りだしていくのであろう。



文・石川翔太/Focus On編集部



※参考

ニコラス,A,クリスタキス(Nicholas A. Christakis)・ジェイムズ,H,ファウラー(James H. Fowler)(2010)『つながり―社会的ネットワークの驚くべき力』鬼澤忍訳,講談社.

丸山裕貴(2017)「弱いつながりの強さ:早稲田大学ビジネススクール准教授・入山章栄が解説する、世界標準の人脈術」, < https://bnl.media/2017/05/iriyama.html > (参照2017-10-11).




株式会社家守りホールディングス 岡田浩一

代表取締役社長

群馬県出身。地元高校卒業後、株式会社トッパンムーアオペレーションズに入社。オペレーターとして地方金融機関に常駐し、システムネットワーク監視・管理に携わる。その後、CADソフトの販売を行うスーパーソフトウェア株式会社にて、工務店向け営業に従事し、最年少売上一位を達成。新規事業所立ち上げにも貢献する。独立後、株式会社ホームリサーチ取締役副社長に就任。株式会社ホームリサーチ東京を設立して代表取締役社長に就任。2011年、株式会社ハウスビジョン(現・株式会社家守りホールディングス)設立に際して出資者として参画、2016年に代表取締役社長に就任。2017年8月、一般社団法人日本第三者住宅品質検査技術者認定機構(JAQUA)を設立し、代表理事に就任、住宅の品質向上に向け施工技能や検査・管理技能を持つ人材の育成を担う。

http://iemamori.co.jp/


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