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or社会に思いをもって行動するイノベーターたちは、その半生の中でどのような作品(書籍・音楽・映像など)と出会い、心動かされてきたのでしょうか。本シリーズでは、社会に向かって生きる方々にお話を伺い、それぞれの人生の“きっかけ”となった作品をご紹介していきます。
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株式会社Publink 栫井誠一郎
代表取締役
1982年生まれ。東京都出身。東京大学工学部卒業後、2005年に経済産業省(国家1種)入省。マクロ経済政策、外国人留学生と日系グローバル企業のマッチング、研究開発政策、法律改正、内閣官房への出向時は政府のIT・情報セキュリティ政策を担当。2011年退職。退職後はWebサービス企画/開発を中心に活動した後、2013年6月、株式会社Zpeerを共同創業し、CTO兼CFOを担う。2017年末に退職後、経済産業省時代より長年抱いてきた官民連携への思いを形にすべく、2018年6月に株式会社Publinkを設立した。人や情報をつなぐコミュニティ「Publinkパートナー」を運営。現在、理念やビジョンに共感してくれる賛同者を募っている。
―きっかけとなった作品はありますか?
一番影響を受けているのは祖父の言葉ですけど、本でいうと、『ビジョナリーカンパニー(日経BP社)』にはめちゃめちゃ影響を受けていますね。長期的に成功している企業と、最初は成功している風に見えて長期に続かなかった企業を比較して、経営理念というものが長期に形を変えないで背骨として残ることが一番大事だということを謳っている本なんですけど、それって本当に大事なことだと思っているんです。
―その作品との出会いは?またその出会いによって、どんなきっかけが生まれましたか?
読んだきっかけは、経済産業省にいたときに友達と週末起業みたいなことを一緒にしていたんですよ。1円ももうかっていなかったので、特に報告もしていなかったんですけど。それこそアクセンチュアの人とか Google の人とか超優秀な人たちと一緒にプロダクト作って、社会変えていきたいよねって話をしていて、それで読んでみました。読んでみたらこれはすごく大事だなと思いました。
同時に、官僚の組織にもあるといいものだなとも思ったんです。官僚の組織っていろんな幹部とかマネージャーとか管理職とか、階層型組織のなかでみんながどっちの方向を向いていくのかという「企業理念」みたいなものが言葉にされてないんです。
個人の体験の話ですが、当時職員として働いていても、いろんな管理職とか幹部からそれぞれバラバラに「これやって」「あれやって」って5箇所ぐらいから言われて、その優先順位も自分でがんばって整理して、それぞれに対して「この人のこの案件をやっているので、ちょっと2日くらい待ってください」とか自分でさばきながら動いていて。
私自身、誰の方向を向いていったらいいのか分からなくなっていたんです。
―その作品から何を得ましたか?
経産省という組織が、どんな価値観とかビジョンを大事にしていくのか定めて、またそれに伴う形で採用したり評価制度をつくったり事業計画をつくりにいったら、もっと素晴らしい組織になっていくと思いました。
いまPublinkの企業理念を考えるときにも影響を受けています。Publinkにも、今後10年20年変わらないだろうというものが絶対必要だろうと思っていて、確信が持てる仕組みを作れるかどうか、それこそが勝負だなとはすごく思っていました。
だから、Publinkの創業準備のときには、4、5ヶ月で名刺を400枚消費するくらい人と会いました。その過程で、Publinkの背骨(企業理念)になるものを作りました。
逆にそれが見つからなかったら、命をかけられないし、人生をかけて成し遂げることもできないなとも思っています。
―ありがとうございました。
▼栫井誠一郎の生き方がここに |
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