Focus On
石坂浩之
株式会社VISION  
代表取締役
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or社会に思いをもって行動するイノベーターたちは、その半生の中でどのような作品(書籍・音楽・映像など)と出会い、心動かされてきたのでしょうか。本シリーズでは、社会に向かって生きる方々にお話を伺い、それぞれの人生の“きっかけ”となった作品をご紹介していきます。
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スケルトニクス株式会社 廣井健人
代表取締役社長
1991年生まれ。和歌山県出身。スポーツ・医療の分野で選手やトレーナーを養成する専門学校を卒業後、上京。働きながら起業を志し、ロボットレストランで営業として働いたのち、2018年3月にスケルトニクス株式会社に入社。同年12月、同社の代表取締役に就任した。
―きっかけとなった作品はありますか?
僕が起業しようと思ったきっかけの本になるんですが、神田昌典さんの『非常識な成功法則』という本を、22歳のときに読んだんです。
ビジネス系の本を読んだのはこれが初めてで、初めて没頭して読むことができた本ですね。漫画以外で本を読んだのは、小学校のときに歴史が好きで『西遊記』の分厚い上・中・下巻を読んだとき以来だったと思います。それくらい本を読んでなかったです。
―その作品との出会いは?またその出会いによって、どんなきっかけが生まれましたか?
当時働いていたFXの会社の上司の人に薦められて読みました。
その人は会社の創業メンバーで、3人の会社を5~6年で3、40人に増やしていくときに土台を作った人だったんですが。立ち上がった会社を前に進めようとしたときに、いろいろな本を読むなかで一番為になった本らしくて、紹介してもらいました。
内容は、著者の神田さんの起業の歴史が、うまくいっていないところから書かれていて、きっかけが一つありうまくいくようになり今につながっているという話で。やっぱり最初からうまくいく人はいないんだなと、きっかけがあって、チャンスをちゃんと掴みに行けば、ちゃんと上がっていけるんだなと思いました。
それまで起業について何も知らなかったんですが、実際起業した人がどういう人でどういう風に歩んできたのかとかを知ることができて、ここから興味が出てきたというか。ふわっと「起業できたらいいな」くらいだったけど、この本を読んで「起業したい」「自分にもできるかな」と思えました。
―その作品から何を得ましたか?
成長カーブの話は覚えていて、会社ってこういう風に上がっていくんだというところ。最初はうまくいかないけど、チャンスを掴んで急激に上がっていく。上がったということはまた絶対に落ちるので、落ちていくタイミングを予測してリスクヘッジをする。
FXもそうなんですけど、チャートで一回上昇トレンドが発生したら、また落ちる。エントリーがあって上がって、また下がるところを見極めて損切りする。特に、この損切が重要で。どこでEXITするかを自分の中でロジック立ててやらないと、ガっと下がるときに損をすることが多いんですね。それが自分の中で事業の成長カーブの話と重なりました。
たとえば当時学んだEXITのロジックの立て方の一つは、EXITの際には最低で3つ最善の道を用意するということでした。まず最善の道を選択して実施する。ダメだったら2つ目の道を選択して、これもダメなら3つ目の道を選択する。3つともダメなら逃げ道を作って即時退却するというものです。
だから、起業しようとしていたときもイメージしましたし、今でも事業を進めていく上でかなりリスクは考えてますね。一番は「勝つ」というより「負けない」ようにしています。
今も会社はうまくいってますけど、いつ下がるか分からないから、その兆しがちょっとでも見えたらちゃんとリスクヘッジできるように、絶対に足元は見ています。僕の中でスケルトニクスというものの現事業がちゃんと事業として回るのはあと数年だと思っているので、そのあとにちゃんと新しいサービスが立てられるように、今から準備しています。
―上がっていく波を見極めるには?
きちんとチャンスを掴むために意識するのは、対面でのチャンスだったら人ですね。相手を知ることじゃないですかね。初対面の人だとどうしようもない部分もありますけど、前もって情報仕入れた上で会うとか。話してる雰囲気を見ながら、持っている情報と合わせてその人の像をつくり、それに合わせて自分をつくる。
FXのEXITのポイントで言うと、まず1つ目に利益の追求、2つ目に信頼の追求、3つ目に引き分けの追求をするという考え方と近いですね。最初に自分にとっての利益を最大限追求(交渉)して、陰を感じたら相手(相場)との空気作りに徹する。最後に利は置いておき、お互いの妥協点を作り出す。
相手を知ったうえで、ちゃんと自分も相手に合わせる。チャンスだと思ったとき、そこに自分が乗っかったときにちゃんとうまく稼働させられるかを見てますかね。
―ありがとうございました。
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