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近藤繁
株式会社ココペリ  
代表取締役CEO
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or社会に思いをもって行動するイノベーターたちは、その半生の中でどのような作品(書籍・音楽・映像など)と出会い、心動かされてきたのでしょうか。本シリーズでは、社会に向かって生きる方々にお話を伺い、それぞれの人生の“きっかけ”となった作品をご紹介していきます。
… 今回作品をご紹介いただいたイノベーター …
株式会社13歳からの進路相談 松下雅征
代表取締役社長/サイル学院中等部・高等部 学院長
1993年生まれ。東京都出身。著書『13歳からの進路相談』は続々と重版され、全国の学校や市区町村の図書館で多数採用されている。学生時代は早稲田実業学校高等部を首席で卒業し、米国へ留学。その後、早稲田大学政治経済学部を卒業。やりたいことではなく偏差値を基準に進路を選び後悔した経験をきっかけに、大学在学中に受験相談サービスを立ち上げる。これまでに寄せられた中高生からの相談は10万件を超える。大学卒業後は教育系上場企業とコンサルティング会社・才流(サイル)で勤務。2022年に同社の子会社を設立し、代表取締役に就任。一人ひとりが自分に合った進路を選べる社会を目指し、「サイル学院高等部(通信制)」を創立。全国から入学・転校生を受け入れ、高校卒業だけではなく、その先のキャリア支援も行っている。一児の父。
著書:『13歳からの進路相談(すばる舎)』、『13歳からの進路相談 仕事・キャリア攻略編(すばる舎)』
『イントゥ・ザ・ワイルド』監督:ショーン・ペン 進む道が1つしかないと感じている人 日常のさまざまなことを忘れ美しい映像を感じながら、 あるいは可能性を広げるきっかけづくりとして |
社会の深層をえぐる事件や生死に関わる物語など、実話を基にしている作品は、しばしば観る者の心に余韻を残す。恵まれた境遇にありながらも「人生」に葛藤する青年が、全てを捨て、アラスカの大自然へと旅に出る本作もそうだ。 一人ひとりが自分に合った進路を選べる社会を目指し、通信制オンラインスクール「サイル学院」を創立した松下雅征氏は、「進路選択で3つの失敗を経験している」と振り返る。進学や就職、結婚など、人はさまざまな場面で選択を迫られる。そんな時、進む道が1つしかないと感じたり、どの道に進むべきか迷うことがあるだろう。本作品には、相反する選択や価値のあいだで葛藤しながら、やがて大切なことを見出す人間の姿がある。 |
『イントゥ・ザ・ワイルド』という米国の映画です。作品を見て、実際にアラスカに3週間ほど行ったんですが、そのくらい印象的でした。原作は小説で、実話を基にしたノンフィクション作品となっています。
内容としては、恵まれた環境で育ちながらも人生に不満を抱えていた青年が、米国からアラスカ山脈の荒野まで放浪の旅に出るんです。荒野を進んだ先に見つけた、放棄されたバスを拠点に生活を始め、旅の終わりに真実の幸福について知る姿が描かれています。
米国に留学中、授業の一環で見たんですよね。大学3年生だったかな。
作中に「Happiness only real when shared.」というフレーズが登場し、「人の幸せは分かち合えたときに初めて本物になる」といったニュアンスだったと思うのですが、結局主人公がそれに気づけたのは、1人になったからこそ気づけたという話なんですよね。
失って初めて気づくじゃないですが、おそらくずっと人と一緒にいたら、主人公は誰かと幸せを分かち合う重要さに気づけなかったと思うんです。そこから、人にとって「孤独」と「繋がり」はどちらも必要なんだなと思うようになりました。
私が学生時代に経験した進路選択の失敗の話にも通ずると思っていて。周囲の声を優先し、当時抱いていた目標や夢をうやむやにしてしまって失敗したこともあれば、自分の意思で学生起業して結果的に失敗したこともある。あとから振り返れば、どちらの経験からも学べたことがあるんですよね。
相反するものはどちらも大事というか、両方あるからこそ両方の良さが分かる。むしろ相反するもののあいだで葛藤したり、考えること自体に意義があるんだろうなと、より思うようになりました。
通信制であるサイル学院でも、1人で行う個別的な学びと、全員で行う協同的な学びのバランスをすごく大事にしています。
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