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私のきっかけ ― 『モリー先生との火曜日』監督:ミック・ジャクソン

社会に思いをもって行動するイノベーターたちは、その半生の中でどのような作品(書籍・音楽・映像など)と出会い、心動かされてきたのでしょうか。本シリーズでは、社会に向かって生きる方々にお話を伺い、それぞれの人生の“きっかけ”となった作品をご紹介していきます。



… 今回作品をご紹介いただいたイノベーター 

株式会社ココロミル 林大貴

代表取締役CEO

1991年生まれ。東京都出身。大学在学時より起業し、これまで個人事業主を含め代表取締役3社、取締役4社、顧問として3社の経験をもつ。日本のみならず2017年6月にはカンボジアにて会社を起業。社会貢献活動にも尽力。2019年11月に実母がストレスが起因する病気で亡くなったことからストレスというものに興味を持ち、自分のように「病気で後悔する」人がいなくなることを願い、2021年11月株式会社ココロミルを設立。

https://kokoromil.com/






     人生のきっかけ    
 『モリー先生との火曜日』監督:ミック・ジャクソン

 こんな人に観てほしい 
 すべての人に

 こんな風に観てほしい 
 自分事として捉えながら

いつの時代も色褪せない作品というものがある。1997年に米国でベストセラーとなったノンフィクション小説を原作とする本作も、いまなお愛される不朽の名作だ。主人公が16年ぶりに再会したかつての恩師、モリー・シュワルツ教授は難病ALSにより病床に伏していた。そんな悲痛な状況から始まるストーリーだが、作中では「生きること」や「死にゆくこと」、ほかにもあらゆる人の人生に普遍的なテーマについての問答が優しい語り口で繰り広げられていく。
人に手を差し伸べつづけるという行為は、ときに意図せぬ反応が返ってくることもある。それでも変わらない自分の在り方が形成されたきっかけとして、林氏は本作の名前を挙げる。自分ならこんな場面で相手にどんな言葉をかけるのか、想像しながら観ることでも気づきがあるという。



作品の紹介

きっかけとなった作品はありますか?

1本選ぶなら『モリー先生との火曜日』ですかね。主人公には大学時代の恩師がいて、その恩師はもう病気で死の淵に立っていて入院したという知らせを聞くんです。恩師には大学時代に良くしてもらったけれど、卒業してから全然会いに行けていなくて、合わせる顔がないと思いながら主人公はお見舞いに行くんですよね。


そしたらモリー先生は「お前、今人生が楽しくないだろう」と見抜いて、残りの余命のなかで最後の授業をしてやると言って毎週火曜日に授業をするようになる、それにより主人公の人生が輝いていくという物語です。一応実話みたいですね。初めて映画を観て泣いた作品でもあります。


人生の思考の変化

その作品との出会いは?


大学1年の時、先生に教えてもらって授業で観ました。結局死んだら何もできなくて、相手に怒ることもできないし、感謝することもできない。命の危機が迫ってから何かするんじゃ遅いんだなということはすごく思いました。


モリー先生ももう死ぬ間際で余生を楽しみたいはずなのに、週に1回外出許可が下りる日を昔の生徒のために使っている、それ自体心打たれるものがあって。僕も最後の最後まで手を差し伸べつづけたい、相手がどんなに僕のことを嫌いだと思っていても助けつづける人でありたいと思いました。


作品が影響を与えた行動

その作品から何を得ましたか?


それまでより一層お節介になったかもしれません。周りで困っている人がいたら声を掛けますし、結構ずかずかと突っ込んでいくので、大学生の時は相手から「いや、お前に言われなくても」と、頼んでもないのに手を差し伸べてくるやつだと煙たがられることもありました。


ただ、身近な人を笑顔にしたいと思って生きているので、今でもそのスタンスは変わってないですね。一人ぼっちの人がいたりすると、すぐ話しかけてしまいます。




林大貴の生き方がここに


ウェアラブル心電計が突然死を未然に防ぐ
― すべては身近な人の笑顔のために





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