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「世界は僕らの遊び場」を掲げるBONXのカルチャーを紐解こう / 経営陣クロストーク(前編)

雪山のゲレンデを滑るとき、仲間の声はかき消される。だったら、もっとクリアに、もっと自由に話せるプロダクトを自分たちで作ればいい。ビジョン「世界は僕らの遊び場だ。」を掲げる株式会社BONXは、そんな身軽な発想から生まれた。


いまやそのフィールドは、雪山だけではない。建設、介護、医療など、BONXは現場コミュニケーションのワンストップソリューション「BONX WORK(ボンクス・ワーク)」を展開し、事業領域を大きく広げてきた。「情熱を持って追求できる遊びは、人生を格段に充実したものにする」――その信念は、事業にも組織にも息づいている。


2026年7月、経営体制の強化に伴い、岡島悠裕・佐藤由庸の両名が副社長に就任した。一セールスとして入社した2人は、BONXで何を感じ、行動し、経営を担うまでに至ったのか。仕事も遊びも境目なく本気で楽しむというカルチャーは、どのように培われ、これから働く人に何を求めるのか。代表・宮坂貴大を交え、その軌跡とそれぞれの思いを語り合う。(全3回連載)





組織カルチャーは、物理的なオフィスから始まった


――「遊びと仕事の融合」や「遊ぶように仕事する」というBONXのカルチャーは、創業当初からあったものだと伺いました。当時はどんなところに「らしさ」があったんですか?


宮坂:創業からしばらくは、駒沢公園のすぐ近くにオフィスがあったんです。なんでそこだったかというと、駒沢公園のスケートパークに近いから。


特に、最初は「遊び」が事業のドメインというか、スノーボードやサイクリングなど遊びをしている人、toC向けにプロダクトをつくっていたので、自分たち自身もたくさん遊んでいこうと思っていて。物理的に遊びと仕事を融合しようと(笑)。


写真左から順に、副社長 岡島 / 代表取締役 宮坂 / 副社長 佐藤


宮坂:最初はオフィスの中に、スケートボードのランプという滑れる斜面を置こうと思ったんですけど、そうすると倉庫のような場所しか選択肢がなくなってしまう。じゃあ、スケートパークの近くにオフィスを持とうと、借景的な発想で(笑)。駒沢公園ってすごく広いんですけど、その中でも特にスケートパークに近いところにオフィスを借りて。当時は本当にただのアパートの一室だったので、みんなのスケボーとスケシュー*が、玄関にバーッと並んでましたっけ(*スケートボードのシューズのこと)。


岡島:僕が入社したときは、まだありましたね。


宮坂:あったよね。大きなオフィスに移ってからも、今度は少しスペースがあったので、そこにスケートボードを挿せるラックを置いて。お昼とかになると、みんなでスケボーしたりしていました。ただ、そこから会社としては徐々にtoB向け、現場業務で使われるプロダクトにシフトしていくにつれ、カルチャーも少し変わっていって……。


岡島:今は減りましたけど、ちょうど僕が入ったときはBtoCからBtoBに移り変わりはじめた時期だったので、まだ3S(スリーエス)、サーフィン・スノボ・スケボーのいわゆる「横乗り系」をやっている人がたくさんいましたね。直近もまた少し、そこにバイブスを感じて入ってくれる人がいました。


旧BONXオフィスの玄関


横乗り系からチームスポーツへ。野球部出身の2人はどう思ってる?


――そういったカルチャーの土壌は、仕組みなどがあって後天的に育まれたものだったんですか?それとも、先天的に体現できる人を採用していたんですか?


宮坂:最初はシンプルに「スケーターのおじさんはいいな」と採用していたんですよ。それっぽく言うと採用戦略として、スタートアップが星の数ほどあるなかで、来てもらう理由づけとしてカルチャーの部分を前面に出して、共感してくれる人を集めていた。そうするとやっぱり、横乗り系の人がすごく増えていって。


先ほどもお話した通り、その雰囲気は徐々に薄まっていったけど、じゃあ完全に真面目なガチガチの会社になったかというとそうではなくて。途中から遊びの中でも、そして半分は僕自身のパーソナルな趣味としても、チームスポーツにハマりだしたんですよ。サッカーやバスケですよね。


佐藤:一時期から、野球部出身者が増えてきたんですよね。


宮坂:そうそう。要は「チームでどう勝つか」、これって遊びじゃないですか。横乗りはもっとフリースタイルで、いい意味で自己中心的。でも、会社組織を運営する上ではチームスポーツ的な遊びの方が、よほど親和性も高いなと思うようになって。今のBONXの「遊び」は、どちらかと言うとそっちなのかなと思っていますね。


ただ、2人はもともと野球部で、甲子園的な過酷な部活動のカルチャーを通ってきているから、「遊び」というと違和感があるかもしれない(笑)。その辺はどう思ってる?



佐藤:野球はあまり意識したことがなかったですけど、自分の中で「楽しい」という感覚は昔から重要視していますね。仕事は1日8時間、人生の3分の1ぐらいをベットするものなので、そもそも楽しくないとやってられないなと思っていて。楽しければ頑張っている感覚なく努力できるから、成果も出るんじゃないかと思うんです。


これは前職時代の先輩が言っていた言葉ですが、「『知っている』より『好き』の方がいいし、『好き』より『楽しい』方がいい」「とにかく迷ったときは楽しい方を選べ」と。その言葉がずっと好きで、自分の中でも「楽しい」を重要視している気がします。


岡島:佐藤さんに近いところがあるんですけど、僕は大学までずっと野球をやっていて、いわゆる苦行的な部活を経てきていますが、自分にとって野球はそういう側面だけでなく、一番は「夢中だった」という感覚で。練習も練習と思っていないとか、そういう感覚のときが一番上達するし、充実しているんじゃないかと思ってきたので、仕事でも同じように「夢中」が大事だと捉えていて。違和感はないですね。


ちゃんと遊んでいる人ほど本気


――「楽しい」も「夢中」もBONXの文脈で語られる「遊ぶ」って、ただ「遊ぶ」というより「本気で遊ぶ」だと思うんです。どうやったら本気で遊べるんですかね?


宮坂:どうしたら本気になれるのか。そう考えると、「遊び」と「本気」は二項対立では全然なくて、ちゃんと遊んでいる人ほど本気というか。それって何の領域にも通じる話なんじゃないかな。2人はどうですか?


岡島:うん、そうですね。遊びこそ本気みたいな。僕自身は趣味でブラジリアン柔術を始めてもうすぐ4年になりますけど、本気で強くなろうと思ってやっているので、結構近い感覚ですね。


佐藤:人生は1回しかないし、今が一番若いと思うと、今本気になった方があとあといいんじゃないかと思いますね。


宮坂:まず、遊びも仕事も「本気でやろう」と思っているというベースは必要だけど、「それって本気で取り組めるものなのか」という問いもあるなと思っていて。それにはちゃんと条件がある。


まず一つは、それ自体が目的だと思えること。これは歴史家のホイジンガが言っている、遊びの本質でもあるんですよね。子どもが遊んでいるとき、何かのために遊んでいるわけじゃなくて、それ自体が楽しいから遊ぶわけじゃないですか。仕事も同じで、給与を稼ぐための手段になった瞬間に面白くなくなっていく(もちろんそういう側面はゼロではないけれど)。


さらに仕事自体が自己目的化するには、いくつか条件があって。子どもの遊びとか想像すれば分かるけど、その子が本気を出せるようなものなのか、「ちょっとチャレンジがあるものなのか」ということですよね。あとは「創造的・主体的に取り組める環境なのか」というものがあって。ルールがガチガチに決まっていて、自分の能力の2割しか出せない環境だったら、やっぱり面白くない。逆に能力を120%出せるし、自分のクリエイティビティでどんどん面白くしていける環境だったら夢中になれる。


そういう環境を、遊びでも仕事でも整えていけると、みんなそれを本気で面白いと思いやすいんじゃないかと考えていて。だから、僕は基本的にそうやって仕事を渡すようにしているつもりなんですよね。やり方は自分で考えてほしいし、天井を作らない。どんどんやれと。


岡島:そうですよね。宮坂さんはいつも「やれそうか、やれなさそうか」みたいなことを聞いて。そこで難易度を見極めて、だいたいやらせるみたいな感じですよね(笑)。



宮坂:無理は押しつけないよ。見極めが大事なんです。その人が頑張ってやれる範囲かどうか。

佐藤:あと「やりたいか、やりたくないか」も聞きますよね。だいたい宮坂さんにそう言われるから、僕もメンバーには同じように聞くようにしています。(中編へ続く)


2026.10.26

文・引田有佳/Focus On編集部




▼前編(本記事)

「世界は僕らの遊び場」を掲げるBONXのカルチャーを紐解こう / 経営陣クロストーク

▼中編|2026.10.27 公開予定

セールスから副社長に、経営チームづくりを支えた土台 / 経営陣クロストーク

▼後編|2026.10.28 公開予定

労働が見直される今だからこそ、現場×音声のBONXは存在意義がある / 経営陣クロストーク




宮坂貴大

株式会社BONX 代表取締役

BONX創業者。東京大学教養学部卒業・東京大学大学院総合文化研究科修了。新卒でボストンコンサルティンググループに入社しテクノロジー領域等のプロジェクトに従事。その後自らのスノーボードにおける体験を基にBONXを起業し代表就任。ニュージーランド オタゴ大学留学中には国際ツーリズム学会での論文発表を経験し、卒業論文は最優秀論文章を受賞。世界最大の起業家支援ネットワーク「Endeavor」からはEndeavor Entrepreneurに選ばれる(日本から7社目)。スノーボード・スケートボード・サーフィン・バスケットボールを愛する3児の父。

https://bonx.co/ja/



岡島悠裕

株式会社BONX 副社長

新卒でパナソニック株式会社に入社し、国内外でセールス・マーケティング業務を幅広く経験。2020年に株式会社BONXへ参画し、エンタープライズセールス、採用マネージャーを経て、2023年よりCEO室室長(Chief of Staff)として経営企画・人事・事業開発・アライアンスなどを横断的にリード。



佐藤由庸

株式会社BONX 副社長

前職では大手家電メーカーにて、家電量販店向けの営業および量販店本部との商談を担当。2023年4月に株式会社BONXへ入社し、営業、カスタマーサポート、マーケティングなど、事業成長に関わる幅広い領域を統括してきた。顧客現場への深い理解を起点に、営業戦略の策定や業界別の市場開拓を推進している。



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