Focus On
吉田一星
株式会社EmbodyMe  
代表取締役CEO
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or社会に思いをもって行動するイノベーターたちは、その半生の中でどのような作品(書籍・音楽・映像など)と出会い、心動かされてきたのでしょうか。本シリーズでは、社会に向かって生きる方々にお話を伺い、それぞれの人生の“きっかけ”となった作品をご紹介していきます。
… 今回作品をご紹介いただいたイノベーター …
匠技研工業株式会社 前田将太
代表取締役社長
1996年生まれ。東京都出身。東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科中退。東京大学運動会ラクロス部男子OB。加工企業の皆さま方と数多くのご縁をいただく中で、モノづくりの奥深さに傾倒し、業界課題の解決に挑戦することを決意した。
東京大学戸田(へだ)寮 |
訪れるだけで懐かしさがよみがえり、かつての感情を思い起こすことができる。そんな「心のふるさと」は、必ずしも生まれ育った場所であるとは限らない。目まぐるしい日々を過ごすなか、自分の原点に立ち返る機会はそう多くない。だからこそ、そんな場所には特別な価値がある。 家から離れた学校に通っていたためか、故郷と呼べる感覚の場所がないと語る前田氏。代わりに浮かぶ「戸田寮」は、毎年家族で滞在していた幼少期以来、今も同じ場所に佇んでいる。知的好奇心をくすぐられる非日常でありながら、包み込まれるように穏やかな時間が流れていた夏の思い出は、心の奥深くに残りつづけている。それらは当時出会った人や物事の記憶とともに、どこかで自分を形成している感覚があるという。 |
静岡県の西伊豆にある東京大学戸田寮という場所は、僕のアイデンティティの一つになっている気がします。そこは東京大学運動会(いわゆる体育会)に所属する現役学生か、OBとその家族が宿泊できる施設なのですが、面白くて自由な大人たちがたくさんいる結構変わったコミュニティになっていて、おそらく自分の中の何かを形作っていると思いますね。
やはり知的好奇心を刺激されたという部分が大きかったですね。物心ついた時から毎年夏に家族で2週間ほど滞在していたのですが、当時の僕からしたら異空間にいるような感覚があって面白かったんです。
寮にいる間は夏休みの自由研究をしたり、魚釣りをしたり、大学生に遊んでもらったり、同じタイミングで来ていた家族間で仲良くなったり。今でも自分自身が純粋に真面目という人間ではない気がしていて、ある程度の自由さだったり、「人生における面白さの追求」という視点が、その空間で養われたように思います。
東大を神格化しない、ということですかね(笑)。学生が当たり前にそこにいて、何か特別な存在というよりは身近な存在なんだと、(のちに自分も東大に入ることになるのですが)ある意味勘違いできた部分はあるのかもしれません。
あとは昔から実家と通学先が離れていたからか、地域のコミュニティ意識が希薄な東京都市部に住んでいたからか、自分にとって故郷と呼べるような感覚の場所がないんですよ。「この場所に帰ると、こういう人たちがいる」という地元のような場所といえば、この戸田寮しかないので、結構故郷のような感覚があって。今でも毎年連休などを使って泊まりに行っています。やはりそこに帰ると、デトックスされるような感覚がありますね。
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飯田泰敬
株式会社LOOPLACE  
代表取締役