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私のきっかけ ― 集合写真を撮った創業前夜

社会に思いをもって行動するイノベーターたちは、その半生の中でどのような作品(書籍・音楽・映像など)と出会い、心動かされてきたのでしょうか。本シリーズでは、社会に向かって生きる方々にお話を伺い、それぞれの人生の“きっかけ”となった作品をご紹介していきます。



… 今回きっかけをご紹介いただいたイノベーター 

株式会社アシュアード 大森厚志

代表取締役社長

千葉県出身。株式会社ビズリーチに新卒入社後、ビズリーチ事業のマーケティング部、事業企画部を経て、地域活性事業、セールステック事業の立ち上げを行う。その後、セキュリティの信用評価プラットフォーム「Assured(アシュアード)」を企画立案し事業化。事業部長として同事業を牽引した後、2022年8月より株式会社アシュアード 代表取締役社長に就任。

https://assured.jp/





     人生のきっかけ    
 集合写真を撮った創業前夜

事業づくりの始まりには、華やかな瞬間よりも、静かな決意が宿る時間がある。大森氏にとってその一つが、創業メンバーと何気なく集合写真を撮った日だった。特別な演出はない。ただ年始の空気のなか、軽やかにシャッターを切った。それでもあとから振り返ると、その瞬間は明確に人生の線を引いていた。代表としての覚悟や役割と向き合っていく、そのスタート地点だった。



きっかけの紹介

きっかけとなったものはありますか?

作品などではないのですが、創業前にメンバーで集合写真を撮った日は、人生のターニングポイントとして人の人生を背負った感覚というか、自分の人生だけ考えて働くうちは、それ以上でもそれ以下でもないんだなと実感しました。


当時は、これから事業を立ち上げようというタイミングで、自分自身で初期メンバーを探し、自分が行動しなければ出会わなかった人たちに会い、何もない状態で頭を下げて「一緒にやってほしい」と懇願して。その思いを受け取り、腹をくくって飛び込んでくれた人たちと一歩を踏み出した瞬間だったので、人生の中でも特別な時期でした。


人生の思考の変化

そのきっかけとの出会いは?


2020年の1月だったと思います。そんなに深い意味はなく、年明けだし「これからよろしくお願いします」という雰囲気のなか、みんなで気構えずに撮ったんです。そこからサービスのリリースまでは2年くらいかかったのですが、直後にコロナ禍になって、「これからどうなるんだろう?」と不安を抱えながら、逆風のなか漕ぎ出していくことになりました。


4~5人だった当時から今に至るまで、自分の在り方や物事の考え方は変化しつづけていると思いますね。仲間のおかげで、自分自身が人間的に磨かれていっていると感じています。


事業が大きくなればなるほど、自分にできないことを理解していき、それができる方に来ていただく。それによって事業が前に進み、そのたびに自分は何ができるんだろうということを考える。自分を変えてみて、またさらに自分より優秀な人が仲間になってくれる。そうして自分は代表として何をやっていくべきなんだろうと、果たすべき役割について考えつづけています。


きっかけが影響を与えた行動

そのきっかけから何を得ましたか?


今は「この会社で挑戦できて良かった」と思ってもらえるものを示し、作りつづけることが、僕の一つの役割なのかなと思っています。会社の未来をつくる役割でありたいなと。


結局、事業や会社において、一番苦しくなるときってなんだろうと考えると、業績が悪くなるときではなくて、目指す未来が分からなくなるときだと思っているんですよね。逆に、その未来の存在が「会社が会社で在りつづける最たるアイデンティティ」や求心力だとした場合、関わってくれる仲間がコミットしたいと思えるような、誇りある会社の方向性を示せているんだろうかと考える。つまり、社会の大きな課題というものに対して向き合いつづけているかということを、常に意識しています。




大森厚志の生き方がここに


尺度なきセキュリティの世界に、共通基準をつくる
― 人が集う旗は100年先の未来のために





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