Focus On
新井豪一郎
シェルパス株式会社  
代表取締役
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or社会に思いをもって行動するイノベーターたちは、その半生の中でどのような作品(書籍・音楽・映像など)と出会い、心動かされてきたのでしょうか。本シリーズでは、社会に向かって生きる方々にお話を伺い、それぞれの人生の“きっかけ”となった作品をご紹介していきます。
… 今回きっかけをご紹介いただいたイノベーター …

株式会社スマテン 都築啓一
代表取締役CEO
1990年生まれ。愛知県出身。大学中退後に飲食店を開業。2011年の東日本大震災の復興支援をきっかけに、太陽光発電の事業に参入し自然エネルギー普及に務める一方で、防災・消防業界に社会課題を感じるように。消防業界のアナログな部分をITの力でアップデートすべく、2018年に株式会社スマテンを設立、代表取締役CEO就任。
『論語と算盤』著:渋沢栄一 社会貢献をしたい人 素直に受け入れてみるつもりで |
| 「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」と、かつて江戸時代の思想家・農政家である二宮尊徳は語った(薪を背負って本を読む、二宮金次郎の銅像で知られる人物でもある)。道徳と経済は対立するものではなく、むしろ両立するからこそ社会が豊かになる。渋沢栄一もまた、『論語と算盤』の中で同じように説いている。都築氏にとって、それは深く共感できる思想であり、経営を続けるうえでの確かな道しるべとなってきたようだ。 |

渋沢栄一さんの『論語と算盤』ですね。道徳と経済を両立させていくことが社会にとって必要であり、それには人の信頼が前提になるという内容で、すごく共感した本です。
昔、知り合った経営者の方に読むべき本として教えてもらったんです。初めて読んだのは数年前ですが、今でも読み返していますね。
この本の内容を知ったから何かをしたというより、経営をしながら本で答え合わせをしてきた感覚です。起業をすると利益を追求しなければならない一方で、理念や道徳的なものは伴っているかどうか、数字だけでなく信念があるのかを考える必要があって。逆に、理念だけでも会社は続いていかないですし、両輪としてバランスよく回していくことが重要になる。この本を読んで、その重要性を改めて認識しましたし、常々意識しています。
日々、何のためにやっているのかと、自分たちの存在意義について振り返る時間を持つようにしています。どうしても目標を達成しようと思うと数字に目が行きがちですが、果たしてその目標は実のあるものになっているのかと、定期的に考えたりしますね。
僕は個人的に仏教も面白いと思って勉強しているのですが、仏教では2,500年前に説かれた教えが、今でも経典に載って残っているんです。それって存在意義があるとされたから、残っているわけですよね。あってもなくてもいいものではなくて、必ず伝えなくてはならないものとされてきた。それが本当にすごいことだと思っていて。経営においても、社会に必要とされることを成したい、自分たちの存在意義を大切にしていきたいと考えています。
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布田尚大
株式会社drapology  
代表取締役CEO/GOZEN代表
