Focus On
野口寛士
orosy株式会社  
代表取締役
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or社会に思いをもって行動するイノベーターたちは、その半生の中でどのような作品(書籍・音楽・映像など)と出会い、心動かされてきたのでしょうか。本シリーズでは、社会に向かって生きる方々にお話を伺い、それぞれの人生の“きっかけ”となった作品をご紹介していきます。
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スタートバーン株式会社 施井泰平
代表取締役/現代美術家
1977年生まれ。東京都出身。幼少期をアメリカで生活する。多摩美術大学絵画科油画専攻を卒業後、2003年ころから「インターネットの時代のアート」をテーマに作品を発表しはじめ、ネット上のプロジェクトと並行してギャラリーや美術館など、実空間での展示も行うようになる。2007年から2011年まで東京藝術大学にて教鞭をとったのち、2014年、東京大学大学院在学中にスタートバーン株式会社を起業。美術家として活動する際の名義は泰平。Geisai#9 安藤忠雄賞、ホルベインスカラシップ奨学生など賞歴多数。
―きっかけとなった作品はありますか?
『Art at the Turn of the Millennium』という画集があって、2000年の世界のアートを特集した本なんですが、もう全部のページが全部違うんです。傾向がなくて、老若男女いろんな表現があって。絵だけじゃないし、インスタレーションとかもあるし、よく分からないものもいっぱいある。いまだに良い愛読書ですね。
昔は全然知らないアーティストばっかりだったけど、みんな有名だったので、いまはもう知ったアーティストばかりで。本当に、ふとしたときに見るという感覚ですね。
―その作品との出会いは?またその出会いによって、どんなきっかけが生まれましたか?
大学時代、NADiff(ナディッフ)*に置いてあったのかなと思います。当時は世界の現代アートNAVERまとめみたいなものもなく、それまで世界のアートを俯瞰して見る機会がなかったので、すごい衝撃でしたね。アーティストといったらいくつか傾向があるはずなのに、一人ひとり答えがある。(幼少期、日本と米国のコミュニティによって測られる価値の差異への疑いから、個々の人の価値を求めてきた過去を振り返り語る施井氏)。
いろんな答えの集積が、いまのグローバルアートシーンを作っているのを見て、これは面白いなと思って。現代美術家のデュシャンとかは高校から知ってはいたんですが、アートシーン全体のなかの一人という意識で見ていなかったので、現代美術を一番最初に意識した瞬間の本ですね。
(*コンテンポラリーアート、フォトに関する国内外の書籍を中心に、アートグッズやマルチプルなども取り扱うブックショップ。http://www.nadiff.com/)
―その作品から何を得ましたか?
やっぱり自分の活動だけ見ていると、自分のやっていることを俯瞰する機会がないので、俯瞰はめちゃくちゃ重要だなと思います。自分の作風はある程度自分の作品に体系づけないといけないけど、ほかの作品もアートとして成り立つみたいな。やっぱり他者から見てどういう風なことをしているかという視点は、結構重要なのかもしれないですね。重要だと無意識から分かっていたのか、小さいころからそういう思いはあったんですけど。
―ありがとうございました。
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髙橋史好
concon株式会社  
代表取締役/CEO