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or社会に思いをもって行動するイノベーターたちは、その半生の中でどのような作品(書籍・音楽・映像など)と出会い、心動かされてきたのでしょうか。本シリーズでは、社会に向かって生きる方々にお話を伺い、それぞれの人生の“きっかけ”となった作品をご紹介していきます。
… 今回作品をご紹介いただいたイノベーター …
iYell株式会社 小林紀雄
取締役兼CTO
1985年生まれ。埼玉県出身。2008年、ハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現SBIアルヒ株式会社)に入社。累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。
『最後の授業 ぼくの命があるうちに』著:ランディ・パウシュ 努力はしているが結果に結びついていない人 固く考えずに |
自分の人生が終わりを迎えつつあると知ったなら、その時あなたは何を思い、何をしたいと思うだろうか。「最後の授業」と題した有名な講義がある。余命宣告を受け、47歳という若さでこの世を去った米国のランディ・パウシュ教授が遺した、エネルギーあふれるメッセージだ。我が子へ、若者へ、そして夢を追う全ての人へ捧げられたメッセージは、ただ「正しく生きる」ことの重要性を伝えている。 限られた人生の時間を何に使うのか、理想の世界は待っているばかりでは作られない。講義に背中を押されたと語る小林氏も、それをきっかけに挑戦することの意義を感じながら行動しているという。 |
本にもなっているしYouTubeに映像もあるのですが、ランディ・パウシュの『最後の授業』ですかね。この講義にはものすごく影響を受けていて、今でも読み返しています。この方は米国にあるカーネギーメロン大学の教授で、末期がんで余命半年と宣告されたあとの最後の講義であり遺言と言われている内容で、「夢は叶うよ」というテーマなんです。
実際に講義の映像を観てほしいのですが、ものすごく明るいんですよ。死ぬ間際でこんなに明るい人がいるのかと思うくらい明るくて、悲壮感は全くないんです。そんな人が最期に残したい言葉がこれなんだと、すごく印象に残っていますね。
出会ったのは、社会人2~3年目じゃないかなと思います。たまたまテレビでダイジェスト版の映像を観て、それから全部のストーリーを追って観て、そのあと本も読みました。こんな風に明るく死にたいなと思いましたね。実際のところは分からないですけれど、すごく理想的な生き方に見えたんです。
心に残る言葉はいくつかあるのですが、1番印象に残っているのは「人生を正しく生きれば、夢は叶う」というような一節があって、それはすごく良い言葉だなと今でも覚えています。何を成し遂げるかに囚われ過ぎたり、それを成し遂げようと思ったけれどできなかったから残念だとか、そんな風にとらえるよりも「正しく生きる」ことに重きを置けばいいんだなと。
正しい生き方とは何かは、人それぞれあっていいと思うのですが、ただ自分の中で「正しく生きる」ということをきちんと真っ当にやることがすごく大事なんだろうなと思っていて。生きているといろいろ起こるじゃないですか。その結果にあまり左右されずに、きちんと自分の思う真っ当な生き方を設定して、自問自答して評価しながら、しっかりできていれば後のことはついてくるからまぁ大丈夫だと、気にするなということを本から学んだ気がしますね。
あまり一喜一憂しなくなったと思います。強くなれた気がしますね。特に、ベンチャー企業をやっていると、いろいろなことが起こるのでへこむ時もありますし、新しいことをやれば批判されたり、理解されないこともある。それでもやっぱり「正しく生きる」ことを貫けば、ランディ先生が言っていたようにおそらく夢は叶うんだろうなと信じています。
人類で初めて動力飛行に成功したライト兄弟も、その成功の前には傘を持って屋根から飛び降りた人とか、鳥のような羽をつけて飛ぼうとして骨折した人とか、礎になった人が数えきれないくらいいたはずじゃないですか。もちろんライト兄弟もイノベーションを起こしてすごいのですが、僕はやっぱりその先人がすごいと思うんですよね。
できるかどうか分からないなかで、できると信じてやった人がいて、その人たちのデータが積み重なってより大きなものに繋がっていく。挑戦することの重要さというか、今が理想ではないのであれば理想に向かって挑戦すべきだし、誰かが始めないと理想の世界は訪れない。だから、自分も挑戦しつづけたいなと思っています。
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