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or社会に思いをもって行動するイノベーターたちは、その半生の中でどのような作品(書籍・音楽・映像など)と出会い、心動かされてきたのでしょうか。本シリーズでは、社会に向かって生きる方々にお話を伺い、それぞれの人生の“きっかけ”となった作品をご紹介していきます。
… 今回作品をご紹介いただいたイノベーター …
株式会社ザ・ファージ 德永翔平
代表取締役 CEO & Founder
1989年生まれ。東京都出身。青山学院大学卒業後、医療機器メーカーの日本支社立ち上げスタッフとしてキャリアをスタート。次世代医療機器の開発から上市をリードし、生体情報センサを用いた新規医療機器の社会実装や、同機器を用いた新規診療報酬改定のための治療ガイドラインの構築・改訂の経験を持つ。日本進出後、事業撤退の危機にあった生体情報センサのビジネスを 1 年で黒字化させ、その後 3 年間に渡り、世界一の販売実績で国内外から合計 4 度の受賞、2 度の学会発表を通じて CASMED 社の Edwards Lifesciences 社による買収に貢献 。2021年 血糖値予測AIの開発を行う株式会社ザ・ファージを創業。
佐藤雅彦 キャリアを一本道で考えている人 他人の考え方を覗いてみる感覚で |
クリエイター、元電通CMプランナー、東京藝術大学名誉教授――そんな肩書きだけ並べるよりは、作品に触れた方が伝わる魅力があるかもしれない。『バザールでござーる』や『ピタゴラスイッチ』など、不思議と記憶に残るキャラクターやコンテンツを次々に生み出してきた佐藤雅彦氏は、「別のルールで物を作る」ことを自らに課しているという。その思考を紐解くと、心の中や日常に潜む「分からない」ことを、人々がワクワクする形に変換しながら「分かる」ようにする、奥深い表象の世界が広がっているようだ。 |
佐藤雅彦さんの本はどれも面白くて、読んでいます。特に、デザイン誌「AXIS(アクシス)」に掲載されていた巻頭インタビュー記事が印象深くて。佐藤さんが電通で働いていた時代、何も学んでいない状態でいきなり営業や事務から表現の仕事をすることになって、どうやって作ればいいか分からないから「作り方を作る」ことにしたというエピソードや、何を考えてきたかなどが語られているんです。
たとえば、アイデアを出そうとする際に、普通はABCと順を追って考えて辿り着こうとするけれど、「作り方を作る」とAならばXにポーンと飛ぶような、意図してできない全く新しいアイデアを生み出すことができる。そういった考え方は、今も自分の中で大切にしていますね。
大学1年生の時、授業で「あなたが本当に尊敬している人物に関してレポートを書いてください」という面白い課題があって。そこでAXISの記事に触れながら、佐藤雅彦さんについて書いたんです。
既成概念にとらわれない新しい発想で、いかに社会にインパクトを与えるかということを、そこからずっと考えるようになりましたね。就職活動でも書いていましたし、大学後半から先端技術に惹かれていったことにも影響していると思います。
当時は、自分の中で大切にする概念として記憶に残っただけでした。ただ、そのあと仕事をするようになってから、それこそ生体情報と出会い、まさにこれが「既成概念にとらわれず、社会にインパクトを与える新しい方法になる」と思った記憶があります。
人はちょっとした行動次第で、なんでも変えられる。生体情報を使うことによって、人の命が救えたり、自分の状態を整えたりできる。そんな軸が、現在の事業にも繋がっていきました。
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飯田泰敬
株式会社LOOPLACE  
代表取締役